創業三百年の始まり

 油与商店は、金沢市金石(当時は加賀藩宮腰)にて、江戸時代にその産声をあげました。創業当時は 家のなかの灯りをともす油でもって商いをしていたそうです。油与商店という屋号はここに由来します。

 

 その後、今から150年ほど前に魚の糠漬けを製造し販売する 塩物加工を始めました。

油与商店 今から30年前
30年前の漬物蔵

継承・守り続けている伝統

 保存技術が発達してないその昔、この地で魚の保存や冬場の蛋白源や塩分補給のために、魚の塩物加工が盛んに行われました。そのうちに、それを商いとする業者が増えたそうです。四十物(塩物加工商)が22軒あったという記録も残っています。油与商店もその1つです。

 

 製造方法や過程といったものは、今も昔も変わらず同じです。私の父である6代目は、愚直ながらも昔からわが家に伝わる製法や伝統といったものにとことん拘っています。

 

 いしるは必ず澄んだものを使う、梅雨明けの木桶の積み替えは丁寧に且つ綺麗に行う、自分が美味しくないと思う魚は絶対に漬けないという信念で『味』を守り続けてきました。

金沢から日本全国へ

 油与商店7代目である私は、こうした伝統を守りながら、ひとつひとつ丁寧に天塩にかけて、糠漬け・こんかづけを作っております。

 

 ゆったりと、のんびりとした金沢の街の流れのように、じっくりと漬け込まれた商品で皆様が、なにか懐かしい気分になり愉しいひとときを過ごせるような『味』・・・

 

 昔ながらの風景や思い出といったものがよみがえってくるような、『味』を全国の皆様にお届けしたいと思っております。