奇跡の食品が生れるまで~作業工程・ふぐ編

入荷したごまふぐ
入荷したごまふぐ

ごまふぐを内臓除去(可食部位と有毒部位に区別)するところから作業が始まります。

 

このふぐ調理にあたり、石川県の条例により[ふぐ処理資格者免許]と[ふぐ処理施設許可]が必要となります。 こうした認可のもと、ふぐの糠漬けは安全に製造されているのです。

 

このごまふぐ日本海で水揚げされ 5,6月に入荷の最盛期を迎えます。 この時期に山陰の方から、北は秋田・青森の東北の方まで水揚げされます。別名サメふぐともいい、背がザラザラしているのが特徴です。

お腹の臍の部分から口のあたりまで丁寧に包丁を入れ、素早く内臓を除去します。

 

その際、丁寧に取り出した卵巣は塩漬けします。また白子の場合だと、丁寧に取り出したあと、水できれいにさらします。

ふぐのあご肉も除去し、手で外皮をむきます。 あご肉は、宝良(ほうら)といい、こちらも糠漬けにします。

 

そのあと、身卸しにかかります。 3枚に卸したふぐ身は清水できれいにさらします。

【油与商店】塩漬けした卵巣
塩漬けした卵巣

取り出した卵巣のほうは約半年塩漬けします。

 

水分が抜け固く締まった卵巣を木桶に米糠、麹、いしる(うるめいわし由来の魚醤)を丁寧に加え漬け込んでいきます。

身のほうは約半日、塩漬けしたあと、また水洗いし、4、5日天日干しにします。

 

天日で干し上げることにより、さんさんと輝く太陽の力と海からのさわやかな風がを受け美味しく仕上がります。その後、形を整えるために、干したふぐの整形作業を行います。

油与商店 漬物の重石
犀川河口から 重石

干し上がったふぐの身を木桶に糠、糀、魚醤と漬け込みます。網縄をし、木蓋をして重石を置き、貯蔵蔵に約2年寝かせます。

 

魚醤を注ぎ続け、また梅雨のあと木桶を丁寧に洗い、重石の調整もしながら、約二年後出荷となります。

いしるの源~作業工程・こんかいわし編

【こんかいわし】の原料となるいわしは、【うるめいわし】です。

丸々と肥えたものを厳選して仕入れます。

太ったいわしは、脂ののりがよく美味しく仕上がるからです。

次に、頭取り作業を行います。

この作業は包丁を使わず、手で素早くむしり取っていくという手作業です。

これは、1回に捌く量が大量なためです。

その後、間を置かず一気に塩漬けします。

塩の量は、いわしの全重量に対しおよそ3割ほどです。

この塩漬けの期間は10日間ほどで、その間に塩の浸透から出る水分は、油与商店の糠漬けの味の決め手となる【いしる】の源となります。

伝統製法ページ内の「自家製のいしる」の項もご参照ください)

塩の浸透により固くしまったいわしを、タンクから起こします。

その際、大きさを選別し木桶に漬け込む数量を読み込んでいきます。

このころには、タンク内は【いしる】の原液であふれています。

木桶に漬け込む時、塩漬けしたいわしを米糠にまぶします。

この米糠は、石川県産の【コシヒカリ】のものです。米どころである金沢の自然の恵みを活かし、米糠にも拘っております。

(自然・食ページ内の、一番上の「米どころ百万石の御膝元」もご参照ください)

木桶に米糠にまぶしたいわしを、一匹ずつ丁寧に並べていきます。

一段並べると、米糠・糀(こちらも石川県産【コシヒカリ】のものです)・唐辛子をふりかけ、また一匹ずつ並べて漬け込んでいきます。

また、いしるは適時注ぎます。

この作業を繰り返し、桶の上いっぱいになるまで漬け込みます。

桶の縁に【まぎ藁】(三つ編みにした藁)を埋め込み、蓋をして漬け終わりとなります。

伝統製法ページ内の、「木桶のこだわり」の項もご参照ください)